「フリーランスだと住宅ローンは通らないの?」「審査が厳しいって本当?」。確かにフリーランスは会社員に比べて住宅ローンの審査が厳しい傾向がありますが、対策を講じれば十分に審査を通過できます。
この記事では、フリーランスの住宅ローン審査で見られるポイント、審査に通るための具体的な対策、おすすめのローン商品を解説します。マイホームの夢を諦める必要はありません。

フリーランスの住宅ローン審査が厳しい理由
収入の安定性が評価されにくい
会社員は毎月安定した給与があるため「返済能力が高い」と判断されやすいですが、フリーランスは収入が変動するため、金融機関にとってリスクが高いと見なされます。
確定申告の所得が審査基準
住宅ローンの審査では「年収」ではなく「確定申告の所得」が基準になります。経費を多く計上して所得を低く抑えていると、借りられる額が少なくなるジレンマがあります。住宅ローン審査の対策は以下の記事をチェックしてみてください。

事業歴が短いと不利
多くの金融機関は、開業後3年以上の実績を求めます。直近3年分の確定申告書の提出が必要になるのが一般的です。
フリーランスにおすすめの住宅ローン
フラット35が最有力
住宅金融支援機構と民間金融機関が提携する「フラット35」は、フリーランスにとって最も審査に通りやすい住宅ローンです。
- 確定申告書は2年分でOK(民間は3年分が多い)
- 返済負担率の基準が明確(年収400万円未満:30%以下、400万円以上:35%以下)
- 直近1年分の所得で判定される
- 決算書の提出が不要
- 全期間固定金利で返済計画が立てやすい
ネット銀行の住宅ローン
一部のネット銀行では、フリーランスでも審査基準が比較的柔軟です。金利が低いのも魅力ですが、審査は各行ごとに基準が異なるため、複数申し込むのが賢い方法です。
審査に通るための7つの対策
1. 確定申告の所得を「正直に」申告する
住宅購入を見据えているなら、過度な経費計上を控えて所得を適正に保つことが重要です。節税と住宅ローン審査はトレードオフの関係にあることを理解しておきましょう。
2. 3年以上の事業実績を作る
開業後3年以上の安定した所得実績があると、審査の通過率が格段に上がります。
3. 税金・社会保険料の滞納をなくす
所得税、住民税、国民健康保険料、国民年金の滞納は、審査で確実にマイナスになります。申し込み前に滞納がないか確認しましょう。
4. 頭金を多く用意する
自己資金が多いほど借入額が減り、審査が通りやすくなります。物件価格の20%以上の頭金があると理想的です。
5. 他の借入を減らす
カードローン、キャッシング、車のローンなど、既存の借入は返済負担率に加算されます。住宅ローンの申し込み前に、可能な限り完済しておきましょう。
6. クレジットカードの信用情報を整える
クレジットカードの支払い遅延は信用情報に記録されます。直近の延滞がないこと、クレジットヒストリーが良好であることが重要です。
7. 収入合算を活用する
配偶者に収入がある場合、収入を合算して審査に出すことで借入可能額を増やせます。フラット35では連帯債務者として収入合算が可能です。たとえば自分の所得が400万円、配偶者の所得が300万円なら、合算で700万円として審査を受けられるため、借入可能額が大幅に増えます。


住宅ローンの返済負担率の計算方法
フリーランスが住宅ローンを検討する際に最も重要な数字が「返済負担率」です。これは年間のローン返済額を年収で割った割合のことで、金融機関はこの数字を基準に審査を行います。賃貸審査の対策は以下の記事で詳しく解説しています。



フラット35の場合、年収400万円未満なら返済負担率30%以下、400万円以上なら35%以下が基準です。具体的な計算例を見てみましょう。
計算例:確定申告の所得が400万円の場合
返済負担率35%以下が基準なので、年間の返済額上限は400万円×35%=140万円。月額に換算すると約11.7万円です。金利1.8%(全期間固定)、返済期間35年の場合、借入可能額は約3,500万円程度になります。
ただし、他の借入(車のローン、カードローンなど)がある場合は、その返済額も返済負担率に含まれます。たとえば車のローンが月3万円あれば、住宅ローンに充てられる返済額は月8.7万円に減り、借入可能額は約2,600万円にまで下がります。住宅購入を検討しているなら、他の借入は事前に完済しておくことが非常に重要です。
必要書類一覧
- 確定申告書の控え(直近2〜3年分)
- 所得税の納税証明書(その1・その2)
- 住民税課税証明書
- 本人確認書類
- 物件関連書類(売買契約書、重要事項説明書など)
- 開業届の控え
参考になる外部情報
- マネーフォワード|個人事業主でも住宅ローンは通る?フラット35の審査基準
- フリーランスHub|個人事業主の住宅ローンで通りやすい条件
- 住まいサーフィン|個人事業主の住宅ローン審査ポイントと対策(www.sumai-surfin.com・サイト終了)
よくある質問(Q&A)
Q. フリーランス1年目でも住宅ローンは組めますか?
非常に難しいですが、フラット35なら開業後2年分の確定申告で申し込み可能です。ただし、1年分しか実績がない場合は審査落ちの可能性が高いため、2〜3年の実績を作ってからが現実的です。開業1年目でどうしても住宅を購入したい場合は、頭金を物件価格の30%以上用意するなど、他の条件でリスクをカバーする工夫が必要です。年収のリアルなデータは以下の記事で確認できます。



Q. 節税しすぎると借りられないのは本当ですか?
本当です。住宅ローンの審査は確定申告の「所得」が基準です。経費を多く計上して所得が低いと、返済能力が低いと判断されます。住宅購入を検討している時期は、経費計上とのバランスを考えましょう。
Q. 法人化していたほうが有利ですか?
一概には言えません。法人の場合は法人の決算書と個人の確定申告の両方が審査対象になります。法人の業績が良好であればプラスになりますが、赤字の場合はマイナスに働きます。
Q. 住宅ローン控除はフリーランスでも使えますか?
はい、確定申告で住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を申告すれば、所得税の控除が受けられます。入居した年の翌年に確定申告が必要です。
Q. 複数の金融機関に同時に申し込んでもいいですか?
問題ありません。むしろフリーランスの場合は審査落ちの可能性もあるため、2〜3社に並行して申し込むのが賢い方法です。事前審査に通った中から、金利や条件を比較して最も有利なものを選びましょう。本審査に進む際は1社に絞るのが一般的です。
まとめ
フリーランスの住宅ローンは確かに審査が厳しいですが、フラット35を中心に選択肢はあります。3年以上の安定した所得実績、税金の未納なし、頭金の準備がポイントです。
節税と住宅ローン審査はトレードオフの関係にあるため、マイホーム購入を見据えている時期は所得の見せ方に注意しましょう。複数の金融機関に申し込み、自分に合ったローンを見つけてください。
住宅購入を3年後に予定しているなら、今から所得を適正に申告し、安定した所得実績を作っていくことが最大の対策です。急に所得を上げると不自然に見えることがあるため、計画的に準備を進めましょう。

