「補助金や助成金って、法人じゃないと使えないんでしょ?」と思っていませんか。実は、フリーランス(個人事業主)でも申請できる補助金・助成金は数多く存在します。知らないだけで損をしている可能性があります。
この記事では、フリーランスが活用できる主な補助金・助成金を一覧でまとめ、申請の流れや採択されるコツまで詳しく解説します。「なんとなく難しそう」で終わらせず、使えるお金はしっかり活用しましょう。

補助金と助成金の違い
まず、混同しやすい「補助金」と「助成金」の違いを押さえておきましょう。
補助金の特徴
- 経済産業省や中小企業庁が管轄するものが多い
- 審査(選考)があり、申請しても採択されないことがある
- 事業計画書の提出が求められるケースが多い
- 補助率・補助上限額が決められている
- 原則として「後払い」(先に全額を自己負担し、実績報告後に交付)
助成金の特徴
- 厚生労働省が管轄するものが多い
- 要件を満たせば原則として受給できる(競争性が低い)
- 雇用保険に加入する従業員がいることが条件の場合がある
- 手続きが比較的シンプル
フリーランスの場合、従業員がいないケースが多いため、助成金よりも補助金のほうが活用しやすい傾向にあります。
フリーランスが使える主な補助金
小規模事業者持続化補助金
フリーランスが最も活用しやすい補助金のひとつです。販路開拓や業務効率化の取り組みにかかる経費を支援してくれます。
- 対象者:常時使用する従業員が20人以下の小規模事業者(個人事業主含む)
- 補助率:対象経費の2/3
- 補助上限額:通常枠50万円(特別枠は最大200万円)
- 対象経費:ウェブサイト制作費、チラシ印刷費、展示会出展費、広告宣伝費、設備導入費など
たとえば、フリーランスのWebデザイナーが自身のポートフォリオサイトをリニューアルする費用や、フリーランスのライターがSNS広告で集客する費用などが対象になります。
IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金2026)
業務効率化のためのITツール導入を支援する補助金です。2026年度は「デジタル化・AI導入補助金」としてリニューアルされ、AI活用もカバーするようになりました。確定申告の具体的な手順については以下の記事で詳しく解説しています。

- 対象者:中小企業・小規模事業者(個人事業主含む)
- 補助率:1/2〜3/4(枠による)
- 対象経費:会計ソフト、顧客管理ツール、プロジェクト管理ツール、セキュリティソフトなど
会計ソフトやクラウドサービスの導入費用が補助対象になるため、日常的に使うツールの費用を抑えられる可能性があります。
中小企業新事業進出補助金(事業再構築補助金の後継)
事業再構築補助金は2025年3月の第13回公募で新規受付を終了しました。後継制度として「中小企業新事業進出補助金」が創設されており、新分野への進出を支援しています。個人事業主も対象です。
- 対象者:中小企業・小規模事業者(個人事業主含む)
- 補助率:1/2〜2/3
- 要件:新たな事業への進出に取り組むこと、認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること
申請のハードルは高めで、事業計画の策定に専門家の支援が必要です。最新の公募情報は中小企業庁のWebサイトで確認してください。


自治体独自の補助金・助成金
国の制度だけでなく、各自治体が独自に設けている補助金・助成金もあります。居住地や事業を営む地域によって利用できる制度が異なるため、確認しておきましょう。
東京都の創業助成事業
東京都が実施する創業初期の事業者向け助成金です。創業から5年未満の個人事業主が対象で、最大400万円が助成されます。
- 助成率:2/3
- 助成上限額:400万円
- 対象経費:賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願費、専門家指導費など
その他の自治体制度
多くの自治体で以下のような制度が用意されています。
- 創業支援補助金
- テレワーク導入支援補助金
- 展示会・見本市出展費補助
- デジタル化推進補助金
- 女性起業家支援金
自治体の補助金は国の制度より知名度が低いため、競争率が低く採択されやすいケースもあります。お住まいの自治体のホームページや商工会議所で確認してみてください。
補助金申請の流れ
補助金の申請は、一般的に以下のステップで進みます。
ステップ1:制度を調べる
自分の事業内容や計画に合った補助金を探します。中小企業庁の「ミラサポplus」や「J-Net21」で検索すると効率的です。
ステップ2:公募要領を読み込む
公募要領は補助金の「ルールブック」です。対象者、対象経費、補助率、申請期間、審査基準などが細かく記載されています。面倒でも隅々まで読むことが採択への第一歩です。経費にできるものの一覧は以下の記事で確認できます。



ステップ3:事業計画書を作成する
ほとんどの補助金で事業計画書の提出が求められます。「何のために」「いくら使って」「どんな効果が見込めるか」を具体的な数字とともに記載します。
ステップ4:申請する
近年はオンライン申請(gBizID等)が主流です。gBizIDの取得には2〜3週間かかることがあるため、早めに準備しておきましょう。
ステップ5:採択後、事業を実施する
採択されたら、計画に沿って事業を実施します。対象経費の支払いは計画期間内に行う必要があります。
ステップ6:実績報告をする
事業完了後に実績報告書を提出します。領収書や成果物の写真など、支出を証明する書類を添付します。
ステップ7:補助金が交付される
実績報告の審査を経て、補助金が振り込まれます。
- 補助金は原則「後払い」です。事業実施に必要な資金は先に自己負担する必要があります
- 採択されても経費の使い方が要件を満たしていないと、交付額が減額されることがあります
- 公募期間が短い補助金もあるため、常にアンテナを張っておくことが重要です


採択されるためのコツ
審査基準を意識した事業計画書を書く
補助金の審査には必ず「審査基準」があります。公募要領に記載されている審査項目をチェックし、審査員が「加点したくなる」内容を盛り込むことが重要です。
- 事業の独自性や強みを明確にする
- 具体的な数値目標を入れる(売上○%アップ、顧客○人増加など)
- 市場分析や競合分析を含める
- 実現可能性を示す(スケジュール、体制、既存の実績など)
商工会議所・商工会を活用する
小規模事業者持続化補助金など、一部の補助金は商工会議所や商工会を通じて申請します。これらの機関では事業計画書の作成支援も受けられるので、活用しない手はありません。
専門家の支援を受ける
中小企業診断士や認定経営革新等支援機関に事業計画の作成を手伝ってもらうことで、採択率が上がるケースがあります。初回相談は無料の機関も多いので、気軽に問い合わせてみましょう。
参考になる外部情報
- Workship MAGAZINE|個人事業主&フリーランス向け給付金/補助金/助成金まとめ
- レバテックフリーランス|フリーランス・個人事業主向けの給付金・助成金・補助金
- 創業手帳|個人事業主が使える補助金・助成金・給付金
よくある質問(Q&A)
Q. フリーランスになったばかりでも補助金は申請できますか?
申請できます。小規模事業者持続化補助金は開業直後でも申請可能です。創業助成事業のように「創業から○年以内」を要件にしている制度もあるので、開業したてのタイミングこそチャンスといえます。届出・手続きの全体像は以下の記事にまとめています。



Q. 確定申告をしていないと申請できませんか?
多くの補助金で確定申告書の提出が求められます。開業初年度でまだ確定申告の実績がない場合は、開業届の控えや直近の売上資料で代用できるケースもあります。公募要領で確認してください。
Q. 複数の補助金に同時に申請できますか?
同じ事業内容・経費で複数の補助金を重複して受給することは原則としてできません。ただし、異なる経費であれば複数の補助金を活用することは可能です。「二重申請」にならないよう注意しましょう。
Q. 不採択だった場合、再申請できますか?
再申請は問題ありません。不採択の理由を分析し、事業計画書をブラッシュアップして次回の公募に再チャレンジしましょう。審査員のフィードバックをもらえる制度もあるので、活用してください。
Q. 補助金を使った場合、税金はどうなりますか?
補助金は「収入」として計上する必要があります。確定申告時に雑収入として処理するのが一般的です。一方、補助金で購入した設備や経費は、通常どおり必要経費として計上できます。不明な点は税理士に確認しましょう。


まとめ
フリーランスが活用できる補助金・助成金は、小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)をはじめ、多数あります。自治体独自の制度も合わせると、選択肢はかなり広いです。
申請には事業計画書の作成やオンライン手続きなどの手間がかかりますが、数十万円〜数百万円の支援を受けられる可能性があると考えれば、挑戦する価値は十分にあります。
補助金は「後払い」という原則と、公募期間があることを忘れずに。常にアンテナを張り、使えるタイミングで確実に申請しましょう。商工会議所や専門家の支援も積極的に活用してください。

